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元気に育ちんさいやー

娘が元気で嬉しい。

駐車場に車を停めて家までの数メートル、娘を抱っこして運ぶときに無性にかわいいなぁと思う。

娘のことをかわいいと思えることが嬉しい。

娘は表情を獲得した。

同月齢の子の中でも、むしろ豊かな表情を持っているくらいだと思う。

本当にかわいい。

表情を得ることができなかったかもしれない局面を乗り越えて、自発呼吸、経口での食事、運動能力の発達、情緒の発達、、、

不安要素をひとつずつクリアして、まだまだ先は長いながらも、いまのところ平和な日々を送れている。

本当によくがんばったね。

私には大事な日が3つある。

あなたが生まれた日。

あなたがNICUに救急搬送された日。

無事退院した日。

きっと生涯忘れることはないし、どの日も鮮明にその日のことを思い出すと思う。

自分語りになるあたりがダメな母親だけどさ、あなたが入院した日は、私のふわっとした人生の中で間違いなくどん底にいた日なんだ。

こわかった。

それから毎日こわくてこわくて仕方なかったんだよ。

だからね、病院であなたが痛い検査をたくさん受けながらも、狭い保育器の中で必死に生命力を発揮してたくさんミルクを飲んで、とってもとってもとってもがんばってたとき、母さんもね、母さんなりに必死に生きてたんだわ。

必死やったんよ。

忘れん、絶対忘れん。

あの病院の4階北病棟のにおいを嗅いだら、なおのこと鮮明に思い出すんだろうな。

そのころコロナウイルスが流行りたてで、なかなか市販のマスクが手に入らなかった。でも、マスクをつけないと面会できないから、そのためにあなたのおばあちゃんが手作りしてくれたマスクを、母さんはきっと死ぬまで捨てられない。

 

そんな勝手な重い話をさ、あなたに背負わせたいとは思わないんだけどさ。

私の中では本当にとんでもない期間だったから。これからもそんなこと山ほどあるんだろうけど。

少し、母さんの中で大切にさせてほしいんだ。

押し付けるつもりはない。

でも、そのマスクや、あなたの臍の緒は、母さんのお墓に一緒に入れてほしいな。

病気と戦うあなたを、なにもできないながらも一生懸命応援してた毎日をね、母さんは大事にしたいんだ。

 

でももちろん、これはもう昔のことだからね。

これからもどうかどうか、元気に育ちんさいやー。