父母、家族
父や母の承諾をずっと求めて生きてきたのだと改めて気づいた。
自分の価値観や考えは、30年をゆうにすぎる年月生きてきて父母を離れて確立していたが、なぜこんなにも自立的でないのか合点がいった。
思えば、結婚してからも私を産み育ててくれた父母との家族関係を中心に価値観を修正し、新しい家族である夫にそれを強制していたように思う。
そこに私の本意や私の価値観そのものが反映されていたかは定かではない。
先日、母と二人で温泉旅行に行った。
大きくなったお腹で、3つの心臓いっしょに温泉につかり、楽しい時間を過ごした。
そのとき、唐突に自分が子供を産むことと世代交代(親の死)は遠く離れたものでないことに気づき、母っ子の私は悲しさと寂しさを感じた。
そのときは、母との別れが嫌だという感情しかなかった。
けれど、それは今後私が生涯を通じ長く付き合っていくのは夫やこれから生まれてくる子どもであることとイコールなのだ。
「自ら選んだものでない、恩のある家族」でなく「自ら選んだ、共に今後長く未来を築く家族」との価値観や距離に対して熱量をかけて生きていく。
それは、私が結婚してもなお浸っていた旧家族の価値観からの脱却を肯定するものだ。
もう、必要以上に縛られるのはやめよう。
そんなこと、誰も望んでいない。
新しい家族と、私の持つ価値観を大事に。
そしてそれを父母から承諾されずとも構わない。
すぐに実践できるかわからないけれど、そうやって生きていけばいいんだと、頭でやっとわかった気がする。
この気持ちを忘れずに、新旧両家族と良い距離で生きていけたら幸せだと思う。