ハナコログ

覚書onインターネット

活字中毒に憧れて。

高校生のときから大好きだった本がある。

「冷静と情熱のあいだ」

あー、最初に読んだのは中学生の時か。図書館で単行本を借りて読んだんだっけ。

で、高校生のときに文庫化されて、ケリー・チャンと竹之内豊主演で映画にもなった。

さらにいえば、学生時代に付き合っていた人と別れてから、ずっと復縁を期待し続けていたので、大学を卒業してから社会人になって退職するまで、ほとんど「復縁のバイブル」的ポジションにあった。

 

今はというと、そんな復縁希望の野望も見事に崩れ去り、新たな人生を進まんとして日々たんたんと生活しているのだが、今でもこの本を読み返したくなる理由がある。

それは、「本の虫」あるいは「活字中毒」なるものへの憧れだ。

この小説の(江國香織さん作のロッソの)主人公あおいが、友人から本の虫といわれている。

珠玉の恋愛小説を前にして、なんてところに目を奪われているのか自分でも笑えるけれど。

ブログを始めるきっかけの話で書いた気がするのだけれど、私は取り立てて「読書家ー!!」というわけではない。たぶん、電車の中で本を読んでるような、一般的なサラリーマンさんよりも読んでないと思う。

たまに作家さんのドキュメンタリーとかインタビューとかで、「小さいころから部屋で本ばかり読んでました」とか、「手元に何か読むものがないと落ち着かない」とかいうコメントを見ると、すっっっっっごい憧れる。

だってなんかかっこいいんだもの笑。

 

どこまでいっても凡人の私が、比較的人から褒められたのが文章だった。

「よく本を読んでるね」とか「論述試験の勉強をしなくても、それなりのものは書けるでしょう」

とか言われて、ちょっと得意になってテキストメインでブログを始めた私。

 

でも、本当の活字中毒と言われるひとの読書量って、想像を絶するものがあると思うんだ。

その昔、とにかく読んでないと気が済まないという人のそばにいたことがあるけれど、なんかもう食欲、睡眠欲、性欲なんか全然かなわないというくらいに、読書欲でいっぱいだったもの。

そんなのって、なんだか素敵じゃないですか?

「そうせずにはいられないんだ!」なんてこと、私にとったらおいしいものを、飲んだり食べたりしかない。今の朝ドラの主人公じゃないけど笑。

 

綺麗な言葉や無駄のない文章が好きだ。

この国に住む人のほとんどが知っている言語を、より深くたくさん知ることってほんとに素敵だと思う。

よそさまから対価を得ようなんて微塵も思ってないけれど、せっかく公共の世界に自分の文章を発信しているのだから、より自分の中で満足いくような、そんな言葉の使い手になりたいと思う。