ハナコログ

覚書onインターネット

劇場

今日は有給なのに、金曜からとっていた休みの最終日で、明日からの仕事がいやでテンションが低かった。

旦那さんを送り出して、こんなときは感情を強引に動かす何かを読むのがいいかと、彼の本棚にあった「劇場」を読むことにした。

旦那さん曰はく、小説の起承転結の転にあたる部分で、うまくいっていた二人がすれ違ってしまうのが切なくて読み進められないとのことだったので、私もそんな悲しいものを読むのは気が引けて、敬遠していた本ではあった。

小説の真ん中あたりを飛ばして、全体の75%くらいを読んだ。

泣いた。

がんがん泣いた。

主人公も彼女も、お互いのことほんとに大好きやんか。

「一番会いたい人に会いに行く。こんな当たり前のことが、なんでできへんかったんやろな。」

小説の帯だけを見て、最初

「会いたいのに会いに行かないなんてよくわからない。」

と思っていた。

私は、とにもかくにも自分の感情に対するこらえ性がなくて、会いたくなったらどうにかして会いに行くような人間だったから。

けれど、実際に劇場を読んでみて、なんというか、とにかくお互いにすごく大切だと思いあっている二人と、不器用を何重もコーティングして出てくる主人公の優しい言葉が琴線に触れまくって、朝から号泣だった。

感動してたくさん泣いてることを、旦那さんとか母親とかその辺の近しい人に話したくてたまらない自分に気づいて、

「もうすぐ32になるというのに、自分は幼稚園のときからマインドが変わってない。」

とちょっとへこんだけど。

 

旦那さんも優しい人だ。

私が理不尽に怒ることも、泣くこともたくさんある。

けど、とりあえず「どうしたんかね」と言って、私がどんなにむくれてもこっちを向いていてくれる。

これ以上優しい人はいないと思う。

私は狡猾で、傲慢で、卑怯で怠惰なのに。

大事にしなきゃなと思った。

ほんとに。

この人がいないと、私は本当に大変だろう。

仕事ばかりに一生懸命で、一生懸命っていってもなんだかんだ周り道ばかりで中途半端であせりるばかりで。

そんな毎日の中で、覚悟を決めて読んでみてよかった。

かたくなっていた自分の感性が、少し自分らしさを取り戻した瞬間だった。